Webサイト制作は映画作りに似ている?チームの役割を徹底解剖!

一つのウェブサイトが世に出るまでには、実に多くの専門家が関わっています。それはまるで、一本の映画を作り上げるプロセスにそっくりです。監督や脚本家、カメラマン、美術スタッフが協力して一つの作品を完成させるように、ウェブサイト制作にもそれぞれの役割を担うプロフェッショナルたちが存在します。

今回は、ウェブプロダクションのチームを映画制作チームに例えながら、それぞれの役割を分かりやすく解説します。

プロジェクトの土台を築く「バックエンドチーム」

ユーザーの目には直接触れない、サーバーやデータベースといった裏側のシステムを担当するのがバックエンドチームです。映画で言えば、物語の骨格や制作の進行管理など、作品の基盤を支える役割に相当します。

  • サーバーサイドエンジニア(脚本家)

    ウェブサイトの機能的な核を設計・開発します。ユーザー登録、データ処理、決済機能など、物語の筋書きを作る脚本家のように、サイトの根幹となるロジックを組み立てる重要なポジションです。

  • ネットワーク/クラウドエンジニア(制作進行・インフラ担当)

    サイトが安定して稼働するためのサーバー環境を構築・運用します。映画の制作進行が撮影スケジュールや機材を管理して現場を支えるように、サイト公開後の安定稼働というミッションを技術的なインフラ面から支えます。特にキャンペーンサイトなどで大量のアクセスが予想される場合、彼らの存在は欠かせません。

ユーザー体験を創造する「フロントエンドチーム」

ユーザーが直接見て、触れる部分を作り上げるのがフロントエンドチームです。映画で言えば、映像、美術、音響など、観客の五感に直接訴えかけるパートを担当します。

  • アートディレクター(美術監督)

    サイト全体のビジュアルコンセプトを決定し、デザインの方向性を統括します。映画の美術監督が作品の世界観をセットや衣装で表現するように、サイトの第一印象やブランドイメージを決定づける役割です。

  • Webデザイナー(美術・小道具スタッフ)

    アートディレクターの指示のもと、具体的なページデザインやボタン、アイコンなどのパーツを作成します。美術スタッフが細やかな小道具でリアリティを追求するように、デザイナーは細部にまでこだわり、サイトの使いやすさと美しさを両立させます。

  • コーダー/フロントエンドエンジニア(撮影監督・VFXアーティスト)

    デザインをブラウザ上で正確に再現し、アニメーションなどの動きを加えてインタラクティブな体験を実現します。撮影監督が意図した映像を切り取り、VFXアーティストが視覚効果で観客を魅了するように、静的なデザインに命を吹き込み、ユーザーを惹きつける仕掛けを実装します。

プロジェクトを成功に導く「統括・企画チーム」

特に大規模なプロジェクトでは、制作だけでなく、企画や営業、マーケティングといった役割がプロジェクトの成否を分けます。

  • Webプロデューサー/営業(製作総指揮/プロデューサー)

    プロジェクト全体の責任者として予算やスケジュールを管理し、チームを率います。映画のプロデューサーが企画を立ち上げ、資金を調達し、プロジェクトを成功に導くのと同様の役割です。

  • Webディレクター(監督)

    企画内容や仕様を固め、デザイナーやエンジニアに指示を出す現場のリーダーです。映画監督が脚本を解釈し、俳優やスタッフを指揮して作品を創り上げるように、プロジェクトの品質に責任を持ちます。

  • マーケター/広報(宣伝プロデューサー/パブリシスト)

    どのようなターゲットに、どうやってサイトの存在を知らせ、訪れてもらうかという戦略を考え、実行します。映画の宣伝チームが予告編や広告で観客の期待感を煽るように、サイトの集客と認知度向上を担います。

まとめ

このように、ウェブサイト制作は多岐にわたる専門家たちの連携によって成り立っています。普段何気なく見ているサイトの裏側には、映画のエンドロールのように、数多くのプロフェッショナルたちの名前が連なっているのです。それぞれの役割が有機的に連携することで、ユーザーにとって価値のある、魅力的なウェブサイトが完成します。

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