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おみやげ話
母かづ江、大正9年生まれの91歳。戦争中は幼い姉と広島の父の実家で過ごし、原爆のきのこ雲も見ている私達の歴史の語り部である。家事は完璧で趣味はレース編みと畑作り、外に出るのが苦手な昔ながらの母親。
そんな母が、突然脳梗塞で倒れた父を驚くほどの力強さで6年間支え続けた。
父を看取り、2年前に89年住んだ北海道を離れ、栃木で兄夫婦・孫夫婦・ひ孫達に囲まれて静かな日々を送っている。静か?いや89歳から大変身。ひ孫と海水浴、姉夫婦と富士山にも行った。夏は北海道で避暑、飛行機に1人で乗れるようにもなった。写真は支笏湖でカヌーデビューのわくわく顔である。婿殿が前に乗せて漕ぎ出すと背中が震えていたそうだ。「おばあちゃん怖いの?」「うううん……嬉しいの」婿殿の視界もにじんだみたい。「父さんにおみやげ話いっぱいもっていくの。誘ってくれたら何でもやってみるよ」って。嬉しいよ、母さん
敬称略