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夫が癌で亡くなったのは6年前。3人の子供を残しての若すぎる死に私は途方にくれていた。3ヶ月ほどして夫のカメラに未現像のフィルムがあるのに気付いた。最後に何を写したのか、ちょっと怖かったが、やがてプリントされてきた写真には、鳥が群れ飛ぶ姿。私はこの場所を探した。それは、春か秋の宮島沼の真雁だとわかった。その時期を待って、私はいそいそと出かけた。
何なんだこれは!空を覆う物凄い数の真雁、生まれて初めて本当の自然を見た思いだ。夫が最後に心惹かれた光景がこれなのだと思うと、涙がこぼれた。興奮はさめやらず、翌日もでかけた。夕方沼に帰る時の、無数の真雁の壮大なV字飛行、それはそれは美しく、本当に圧倒される。地球は人間だけのものではない、と心から思えた。それからは、毎年欠かさず真雁たちから感動をもらっている。
夫が最後に残してくれたプレゼント、それは私にとってのゴールデンタイムだったのです。